古物商許可の申請にはいくつかの書類が必要です。
なかでも身分証明書は間違えやすいため注意しましょう。運転免許証等の一般的な身分証明書ではなく、役所で正式に発効されるものです。
身分証明書を用意するには、自身で本籍地で申請をするか行政書士による代行取得を依頼しましょう。
今回は、古物商許可申請に必要な身分証明書について解説していきます。
古物商許可申請で必要な身分証明書とは?
許可申請の書類では、「身分証明書の原本」が必要となることが多いです。
身分証明書とは、「禁治産宣告・準禁治産宣告」「後見の登記」「破産者で復権を得ない」のいずれにも該当しないことの証明書のことです。
古物商許可の申請などで求められる身分証明書は、法律上の行為能力を有しているかどうかの確認のために使われます。
この身分証明書は、運転免許証や健康保険証といったものではありません。
これらは身分証明書ではなく、「本人確認書類」に該当します。
申請に必要な「身分証明書」は役所で発行することができますが、取得するには少々手間がかかります。
ここでは取得方法やその費用について解説をしていきます。
取得方法
身分証明書の原本を取得するには、自身で本籍地の役所に申請するか行政書士による代行取得を行います。
本籍地の役所に申請
身分証明書は、本籍地のある役所の戸籍課にて取得することができます。
現在住んでいる住所地の役所ではありません。
身分証明書の請求書には、正しい本籍地を記入しなければなりません。
中には本籍地がわからないといった方もいるかと思います。
そのような時は、まず住所地のある役所に行き、「本籍地の記載のある住民票」を取得してください。
住民票には正確な本籍地が記載されています。
その後に、本籍地のある役所の窓口にて取得手続きを取ればよいのです。
本籍地が遠隔地にある場合は、郵送での手続きが便利です。
郵送の際に必要なものは下記のものとなります。
- 戸籍証明書等郵送請求書
- 手数料(定額小為替)
- 本人確認書類
- 切手を貼った返送用の封筒
これらを封書にて本籍地のある役所の戸籍課若しくは証明書をまとめている窓口あてに郵送します。
返送までには1週間から10日ほどかかります。
本籍地の記載に間違い等がある場合は、役所から確認の連絡が入ります。
この時は取得までの日数が長くなる可能性があります。
少しでも早く手に入れたい場合は、送る封書と返送用封筒を「速達」指定して、速達分の切手を貼付しておきましょう。
行政書士による代行取得
古物商の許可申請を行政書士に頼むことで、身分証明書を行政書士が代わりに取得してくれることができます。
全てお任せで書類を集めて申請までしてもらえますので、とても便利です。役所との細かいやり取りもなく意外と大変なものです。また、書類の取得ミスも原則としてないため安心できます。
本人が本籍地がわからない場合でも、行政書士は住民票を職権で取得することができます。
また複数の身分証明書が必要な場合も、行政書士に頼むと一括で取得してくれます。
行政書士に依頼をする際には、身分証明書取得に関する委任状の記載が必要となります。
取得費用
役所によって身分証明書の費用は異なります。基本的には300円~400円くらいとなります。
他に、本籍地の窓口に出向くまでの交通費が必要です。
郵送で請求する場合は、往復分の切手代が必要となります。
さらに証明書代は定額小為替で支払わなくてはなりません。
定額小為替を購入する際には、一枚につき100円の手数料が別途かかります。
行政書士に頼む場合は、証明書代の他に代行手数料がかかります。
行政書士によってこの代行手数料は異なります。行政書士が実際に本籍地のある役所に出向いてくれる場合は、実費の交通費がかかることもあります。
このように費用は掛かりますが、行政書士に依頼をすることで負担を軽減することができます。
身分証明書に関するよくある質問
最後に、身分証明書に関するよくある質問をご紹介します。
- 外国人は身分証明書を取得できますか?
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身分証明書は戸籍と一緒に管理されている情報が記載されているので、日本国籍を持つ人しか発行することができません。
よって、外国人は身分証明書を取得することができません。
では外国人が古物商などの許可の申請をする際にはどのようにすればよいのでしょうか。
申請内容や申請先にもよりますが、「誓約書」の提出で事足りることがあります。
誓約書には、「禁治産宣告・準禁治産宣告」「後見の登記」「破産者で復権を得ない」のいずれにも該当しない旨を記載し、署名捺印をすれば大丈夫です。
- 身分証明書の有効期限はありますか?
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身分証明書の有効期限は、基本的に取得後3か月以内となります。
許可申請の書類を提出する日を基準としますので、その提出日より三か月以内に取得した身分証明書の原本が必要です。
有効期限が切れてしまった場合、身分証明書は本籍地の役所にて取得するものですので再度取得するのに時間がかかることがあります。
郵送などの場合は返送までに10日ほどかかることもあります。
有効期限内に提出できるように、あまり早い時期に身分証明書を取得することは控えたほうが無難です。